大嶋潤子さん③〜喜びも苦しみも
前回は、失明しても失望しなかった大嶋さんの育った環境について、お話を伺ってきました。お父さまに、後継として厳しく育てられたという大嶋さん。続きを伺っていきます!
O:父には子供の頃から「お前は法律家になれ、お前は法律家になれ」って言われて育ったから、そういう風に思い込んで、大学は法学部を卒業したの。それで、8年間司法試験のために勉強したけれども、結局、受からなかった。で、父から「お前は親に養ってもらい、専属で勉強しているのに、何事だ!」と怒られて、もう、司法試験に落ちた次の日から、また試験勉強が始まるの。本当に8年間、シャカリキに勉強したの……で、8年目にね、面白いことが起こるんだよ。
A:えっ、何ですか!聞きたい!
O:うん。実は、8年目にして 法律が好きじゃないって分かっちゃったの(笑)
A:まさかの!笑
O:私の周り人は優秀でさ、皆んな受かっていくんだよ。昔の司法試験て、今より難しかったから……50人に1人しか受からない。でも、自分よりランク下の大学出身の子たちも受かっていくんだよ!で、なぜだろって考えたら、彼らは法律の勉強が三度の飯より大好きなの。親から小遣いを貰っても、それでさらに法律の本を買う。食事の時も法律の話をしているんだよね。私なんか「飯食う時くらい、楽しい話しようよ!」って感じだった。本を買うにしても、好きなインドの本を買ったりとか……それで、8年目にして漸く、自分は法律好きじゃないって気がついて、足を洗う決心がついたの!
A:おぉ!
O:それで、父に長い手紙を書いたの。素直に、自分は法律が好きじゃないんだって気づいて、きっぱり足を洗いたいと(笑)
A:お父さまは何と仰ったんですか!?
O:なんかもう、諦めよね……8年もかけたし(笑)ずっとやめられなかったのは、根本に親に認められたいっていう気持ちがあった。すぐ下に妹がいるんだけど、それまでずっと愛情を独り占めしていたのに、赤ちゃんができたら、親の注目がそちらに行きがちじゃない……それで、なんか愛情を失ったと感じたんだろうね……で、何らかの方法で自分を認めてほしいと……思えば、勉強もその手段だったんだよね。でも、8年目にハッキリと分かった。だから、良かったよね!あれ以上続けていたら、頭おかしくなっていたと思う。
A:なるほど……あと、手紙が良かったですよね。私も本当に大切なことを伝えるときには手紙を書いたりしています。なんか、口だと言い争いになっちゃいそうだけど、手紙だとクッションがあるというか……
O:うん、確かに口だと喧嘩になりそうなことも、手紙だと和らぐよね!
A:で、その後、そんな道を歩まれたのですか?
O:その後、出会った人と結婚したんだけど……失明して、その時は地方に住んでいたので、訓練施設もサポートもないので、見えないと何もできない……お手伝いさんを雇う余裕もないし、にっちもさっちも行かなくなっちゃって……それで、東京に戻ってきたのよね。
A:そのとき、ご両親はどんな反応でしたか?
O:まぁ、しょうがないって感じで受け入れてくれた。でも、ありがたかったよね!幼い子供がいたから、すごくありがたかった!
A:なるほど……あっ、ということは、見えなくなってからも、しばらく地方にいらっしゃったんですね。で、お腹に子供はいるし、でもにっちもさっちも行かないし、どうしようもなくなって、離婚して実家に帰ってこられたってことですね!?
O:そうそうそう!
A:でも、それでお子さんを出産されて、すごいですよね!母としての強さとか覚悟を感じます。
O:だって、親に何もなくなっても、子供はこれからだし、子供のために身体をはれるのは、親だったら皆んなそうだって!
A:いや、でも凄い!ところで、私、最近まで大嶋さんがこんな素敵なHPを持っていらっしゃるって知らなかった。
O:ありがとう!
A:それで、今回インタビューするにあたって、HPを拝見したのですが…そこに「不屈の精神」とあって……
O:そうそうそう!赤色のサリー着てね。
A:いや、大嶋さんの第一印象って、ほんと柔らかくて品があって……
O:嬉しい!ありがとう!
A:正直、ぱっと見、「不屈の精神」って言葉が浮かばないというか(笑)
O:ははは(笑)
A:あっ、でも私の人生セオリーとして、本当にそうな人ってそう見えないっていうのがあるんです!例えば、本当に苦労している人って苦労が見えない。
O:おー、それは鋭いね!
A:私の生い立ちも関係していると思いますが…苦労してる感を垂れ流している人って、実はそこまで苦労していないっていうか……むしろ、本当に苦労している人って、それを周りに微塵も感じさせないっていうか……私にとって、大嶋さんもそんな人の一人なんですよね!
O:それは嬉しいなぁ!
A:だから、大嶋さんの「不屈の精神」が本当だって感じられるのは、まさに、初めてお会いしたときにも、それが微塵にも感じられなかったからで……やっぱり魅力的な人って、人格的な層を深いっていうか……そんな大嶋さんの魅力を掘り起こしていきたいって思います!
O:それは、ありがとうございます!
A:私、大嶋さんのように、そうゆう人って、自分の苦しみも自分のものにできている人だと思うんです。ちょっと哲学者的なこと言っちゃいますけど、本来、自分の人生の彩りって、自分の喜びを自分に引き寄せたいと思うのと同じくらい、自分の苦しみや悲しみも自分に引き寄せて、自分のものにして味わえないと、道もひらけないし、手も差し伸べられない。そして、自分の喜びも本当の意味で味わえない。
O:うんうんうん!
A:現代って楽しいものが溢れていて、ネットもあって、気を紛らわしやすいのですが、結局は、自分の苦しみや悲しみも自分のものにしないと、自分の喜びもやってこないというか……自分の苦しみや悲しみを拒絶しても、無意識に、でも周りにははっきりと、被害者意識が増大していくだけで、負の連鎖になってしまう。でも、自分の苦しみを自分のものできている人って素敵だし、引き受けているから解決しようとするし、その姿に周りも惹きつけられるし……人間(ひと)は一人で生きてないから、だからこそ、正直、巻き込まれることもある。自分のせいじゃないし、なんで自分がってこともある。でも、自分の責任じゃないけど、立ち向かわなきゃいけない試練ってある……それもカルマなのかもしれないけれど。そう思って引き受けないと、立ち向かえないし、戦えないし、道がひらけない。
O:なるほど……
A:で、私にとって、大嶋さんて自分の喜びも苦しみも本当に自分のものにしてて、凄く輝いている人なんです!
O:おぉ、ありがとう!
A:いつも、大嶋さんのFacebookに、その日その日の格言が上がっていて、凄いなぁって……シンプルだけど、心に響く言葉。私は文章を短くまとめるのが苦手なので、見習いたいです(笑)今日は本当にありがとうございました!
O:こちらこそ、愛子ちゃん、ありがとうございました!
いかがだったでしょうか!是非、大嶋さんのHPで彼女の世界観に触れていただきたいです。
Your hardship may not be your fault, not your responsibility, but it is your endeavor.
人は困難の中でこそ成長し、本当の自分を見つける事ができる(大嶋潤子)